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updated 2012-02-06
役を全体性として理解するなら、断片化はエチュードの最初の形を記憶する/接触するのを助けるものである。最初の接触の新鮮さと発見性は、断片化によって記憶され得る。
ワークショップの目的もまたそこにある。さまざまな断片を組み合わせ、また出発点に戻ること、その面白さの対極にあるのは、全体を記憶し、起こってしまったことを再現する試みを通して全体性の力を弱めていくという、習慣化された作業である。役を学ぶことによって最初の接触を改良していくことは、演劇の日常作業である。
役との直感に満ちた最初の接触は、リハーサルの過程で、習慣化し表面化していく。断片化は、例えばスタニスラフスキ・メソッドのような大メソッドに比べると小さなメソッドである。それは、奉仕的な実践として、俳優の知識と経験に有機的に組み込まれる。
「Don't teach me, touch me.」のスローガンは、このメソッドの核心をメタファーとして伝えている(哲学者アルフレッド・シュッツ〔1899-1959〕のことばを借りるなら、「Don't teach me, touch me.」のスローガンに、「私はそれをした。その理由は……」ではなく「私はそれをした。その目的は……」という副題を与えることができる)。
断片化は実践である。以下は、ワークショップのテーマ。
1.俳優―動き―対象―断片
2.俳優―動き―ことば―断片
動きと身ぶりの感情的記憶は、物語に関係づけることを通して行われる。個々の身ぶりは記号であり、その背後に物語が隠れている。「物語」の語は、ここでは「感情」の語と入れ替えて用いることもできる。
身ぶりをその背後にある物語によって記憶することで、エチュードとの最初の接触の新鮮さを保つことができるようになる。それはまた、細部をその最初の形で保つことも可能にさせる。不可避のこととして多数回繰り返されることで滑らかになり、鋭さを失った身ぶりは、感情的記憶を思い出すことによって、最初の形を取り戻すことができる。訓練された身ぶりは空疎な装飾としての性格を帯びていない――その背後に物語があるからである。

俳優は物語の内容に立ち戻りつつ、身ぶりをその最初の習慣化されていない形で再現できるようになる。動きのなかに物語が存在するとはいえ、動きは、観客が解読しなければならない暗号ではない。内容あればこそ、俳優たちは動きと身ぶりを記憶しやすくなる。物語その自体は、あくまでも俳優の所有物、その神秘、そのアイデンティティ、その孤独の力でありつづけるのだ。
Lecture
スミグニェフ・シュミスキ![]()
(テアトル・シネマ/演出家)
カタジナ・ロトキェヴィチ=シュムスカ
(テアトル・シネマ/美術家)
「観念は細部を殺す」という考えから出発する。私は俳優たちに、細部に基づく作業と知覚の形を教えたい。
俳優たちはふつう、舞台の全体に自らを関係づけようとし、その際しばしば、上演の全体は開かれたプロセス、細部と全体の間を能動的に均衡させるプロセスとしてのみ、把握される可能性がある/把握されなければならない、ということを忘れる。あらゆる観念は具体性を従属させ、それを支配しようとする。しかし、観念の具体性は細部を通してのみ表現され得る。同時に、細部の混沌は、観念の明晰さ/明白さを脅かす。
この文脈において、演出家としての私の課題は、俳優たちが必ずしも自覚していない無数の細部、身ぶり、有効な(すなわち、観念の表現と最も近い関係にある)行動の中から選び出すことにある。
その際、混沌は、創造的プロセスを進行させるのに不可欠であり、そのようなものとして、有機的な一部として保持されなくてはならない。
私は、「断片化」と「凡庸な思考の地図」という二つの概念を援用して、自らの仕事をより正確に定義する。
「凡庸な思考の地図」とは、舞台を絵で表した脚本である。線描された舞台は、言葉で解説された舞台とは異なる。役者の課題は、絵のなかに入り、そこから出ることだけである。『不思議の国のアリス』のアリスに与えられた課題と等しい――すなわち、絵の向こう側に移動すること。
役者は、「メソッド」という指示書を受け取る。断片化こそが、この「メソッド」である。
創造は完全に自由なものだが、一つだけ制限がある。私はこれを、むしろ義務と呼びたい。実現すべく課せられたテーマに応えるに際し、役者はそれを最小限にまで限定し、いくつかの身ぶりにまとめる。しかし、これらの身ぶりもまた独立した断片でなくてはならない。問題は、これらの身ぶり/積み木の一片一片のなかに、エチュードの感情的記憶が含まれていなくてはならないことにある。
スミグニェフ・シュミスキ
SCHEDULE | ||
日時 : 2011年11月16日(水) 19:00〜21:30
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会場:伊丹アイホール Tel: 072-782-2000 Fax: 072-782-8880
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料金:4.000円 (全日) | ||
お申し込み・問い合わせ/Booking : 日本演出家協会セミナー Tel/ Fax 03-5909-3074(日本演出家協会)
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